意図的再植術とは
意図的再植術は、非外科的根管治療(抜髄や再根管治療)、歯根端切除術では症状が改善しない場合に行います。歯を一度抜歯して、口の外で歯を観察し、細菌がたまっている部分を削除し、封鎖します。
意図的再植術が必要となる場合
歯根端切除術と同じなのですが、意図的再植術のみで対応できる場合が2つあります。
- 歯根端切除術では器具が届かない部分を触る必要がある場合
- 上顎洞や下顎管が根の先に近く、歯根端切除術が出来ない場合
意図的再植術で
治らない場合
歯の根が割れている場合
歯にヒビが入ることで、病気が治っていない可能性があります。歯が割れているかどうかは検査のみでは分からず、確認する必要があります。そのため、意図的再植術の処置中に破折線を確認出来た場合には、抜歯となります。
意図的再植術のリスクと注意点
- 歯を一度抜歯するため、抜歯の際に歯が割れてしまうことがあります。
- 歯を戻す際にくっつかないことも稀にあります。
- 被せ物を作り直す必要があり、術前に仮歯に変えておく必要があります。
意図的再植術の
メンテナンス
治療後は、鎮痛剤で痛みがないように過ごしていただきます。糸を縫った場合、1週間後に使用した糸を取り除きます。それまでは、うがい薬で清掃していただきます。糸を取ったあとは柔らかい歯ブラシを処方するので、傷口が回復するまでの数週間、患部の清潔を保っていただきます。
1ヶ月後に経過観察を行い、歯の揺れが大きくなければ、仮歯を作ってもらいます。3ヶ月後に経過観察を行って、正常な状態に治癒していれば、最終的な被せ物を作ってもらいます。
意図的再植術の今後の展望
古くからある治療法ですが、(訴訟社会の)欧米などでは確実性に欠けるという理由であまり行われず、データが不足しています。ですが、日本ではこの治療法が脚光を浴びており、今後データの蓄積によって、より成功率の高い方法が解明されると考えられます。